問題解決には議論し合う方がいい

問題解決には議論し合う方がいい
こんな事聞くと,当たり前じゃないか と思われます。
でも,人によっては優秀な人が決めた方が解決の方法に近づくのではと思う人もいますよね。
さて,この命題に対してまじめに取り組んだ研究があるそうです。
私の尊敬する池谷裕二さんの著書「脳には妙なクセがある」の中の「脳は妙に議論好き」という章にこのようなことが書かれています。
学生350人に問題を提示します。その正解率は50%だったそうですが,小グループに分かれてディベートをしたところ正解率は70%にあがったとのこと。
もちろん,誰かが答えを知っていればそれが伝わりますからこの結果は当然だとも思われますが,学生のディベートを丁寧に調べていくと答えが分からない状況でも正解率が上昇したそうです。
つまり,正解は単純に伝搬するだけでなく議論の中で新たに生まれたのだと書かれています。
また,議論を通じて正解にたどり着いた場合には問題に対する理解も深まり,同様の問題に対しても正解率が高くなるとのことです。
「話し合い」は,一方通行の授業とは異なり,より本質的な理解や解釈をもたらすとしています。
これって,特別支援教育での検討会議やATコンシダレーションなど関係者での会議をおこなうことの有効性を裏付けることだと思います。

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ちなみに原著はこちらだそうです。
Smith, MK, Wood, WB, Adams, WK, Wieman, C, Knight, JK, Guild, N, Su, TT. Why peer discussion Improves student performance on in-class concept questions. Science, 323:122-124,2009.

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